
内装解体・建物解体をする方は、必ず調査が必要です
建物を解体・改修する場合、石綿(アスベスト)が使用されているかどうかを工事開始前に調査することが、法律で義務付けられています。見た目だけでは判断できない建材も多く、工事で石綿繊維が飛散するおそれがあるためです。
ナックスには一般建築物石綿含有建材調査者の有資格者が在籍。調査から解体、産廃処分まで、まとめてお任せいただけます。
「小さな解体だから調査は不要」「アスベストが見えないから大丈夫」「2006年より新しい建物だから確認しなくてよい」という判断は危険です。一定規模以上の工事は、アスベストの有無にかかわらず、事前調査結果を行政へ電子報告する義務があります。
1.なぜアスベスト調査が必要なのか
アスベスト(石綿)は非常に細い繊維状の鉱物で、耐熱性・耐火性・断熱性・耐摩耗性などに優れていたため、過去には建築物のさまざまな場所で使用されていました。
しかし、アスベストの粉じんを吸入すると、肺がんや中皮腫などの重篤な健康障害を引き起こすおそれがあります。特に問題となるのが解体・改修工事です。建材を切断・破砕・取り外すことで、内部の石綿繊維が空気中に飛散する可能性があります。
そのため、工事を始める前に「どこに」「どのような建材があり」「アスベストが含まれているのか」を確認することが必要になります。
2.調査は「原則すべての解体・改修工事」が対象。報告には80㎡・100万円の基準
石綿障害予防規則では、建築物、工作物、船舶の解体・改修等を行う場合、あらかじめ石綿の使用の有無を調査することが義務付けられています。
事前調査そのものには「80㎡以上」「100万円以上」といった規模制限はありません。小規模な工事でも、原則として事前調査が必要です。
「80㎡」「100万円」は、事前調査が必要かどうかの基準ではなく、調査結果を行政へ報告する義務が生じる規模の基準です。
該当する場合は、アスベストの有無にかかわらず、事前調査結果を「石綿事前調査結果報告システム」により、労働基準監督署および自治体へ報告する必要があります。請負金額は、材料費・機材費等を含む工事全体の請負金額で判断されます。
2006年9月1日より前に着工した建築物は特に注意
日本では2006年(平成18年)9月1日から、アスベストを0.1重量%を超えて含有する製品の製造・輸入・譲渡・提供・使用が原則禁止されました。そのため、2006年9月1日より前に着工された建築物は、石綿含有建材が使われている可能性があり、特に注意が必要です。
2006年9月1日以降の建築物であっても、設計図書・メーカー資料等によってアスベストが使用されていないことを確認するなど、法令に沿った調査・確認が必要です。
「アスベストが見つからなければ報告不要」は間違い
一定規模以上の工事は、アスベストが「有る・無い」にかかわらず報告が必要です。たとえば解体部分が80㎡以上であれば、調査の結果「アスベストなし」でも、所定の電子システムによる報告が必要です。
3.アスベスト規制の歴史
| 年月 | 主な規制 |
|---|---|
| 1975年(昭和50年) | 石綿を5%超含有する吹付け作業を原則禁止。 |
| 1995年(平成7年) | 石綿を1%超含有する吹付け作業を原則禁止。アモサイト・クロシドライトについても規制が強化。 |
| 2004年(平成16年) | 石綿を1%超含有する一部の建材等について製造・使用等を禁止。 |
| 2005年(平成17年) | 石綿障害予防規則が制定され、建築物の解体・改修における事前調査、作業計画、届出、作業主任者、特別教育等の規制が強化。 |
| 2006年(平成18年) | 石綿含有率の規制が原則0.1%超となり、石綿の製造・使用等が原則全面禁止。9月1日から新たな規制が施行。 |
| 2021年(令和3年) | 事前調査結果の記録・掲示等の義務が強化。 |
| 2022年(令和4年) | 一定規模以上の工事について、事前調査結果の電子報告制度が開始。 |
| 2023年(令和5年) | 10月1日から、建築物の事前調査を一定の資格者が行うことが義務化。 |
| 2026年(令和8年) | 1月1日から、工作物についても対象となる事前調査に資格要件が導入。 |
4.誰がアスベスト調査を行うのか
2023年(令和5年)10月1日以降に着工する建築物の解体・改修工事では、一定の要件を満たした者による事前調査が必要です。
建築物の場合
- 特定建築物石綿含有建材調査者
- 一般建築物石綿含有建材調査者
- 一戸建て等石綿含有建材調査者(一戸建て住宅および共同住宅の住戸内部に限り調査可能)
- その他、法令で認められた一定の要件を満たす者
工作物の場合
2026年(令和8年)1月1日から、工作物についても一定の資格要件を満たした者による事前調査が必要となっています。
ナックスには「一般建築物石綿含有建材調査者」の有資格者が5名、「石綿作業主任者」が11名在籍しています。
5.事前調査では何を調べるのか
設計図書・資料の確認
竣工図や過去の資料から、建築時期、使用建材、メーカー、施工箇所などを確認します。
現地で目視調査
実際の建物を確認し、設計図書と現況が一致しているか確認します。
建材ごとに含有の可能性を判断
吹付け材、保温材、断熱材、耐火被覆材、成形板、仕上塗材、接着剤等を確認します。
分析調査(必要な場合)
資料等だけでは判断できない場合、建材を採取して分析します。
記録・掲示
調査結果を記録し、工事現場の見やすい場所に掲示します。
分析調査が必要になるケース
設計図書や現地調査だけでは石綿の有無を明確に判断できない場合は、原則として分析調査を行います。分析を行わず「石綿が含まれているもの」とみなして、法令に定められたばく露防止措置を講じる方法もあります。調査結果が「不明」のまま通常の解体工事を進めることはできません。
石綿が使用されている可能性がある代表的な建材
| 建材・材料 | 使用されることがある場所・用途 |
|---|---|
| 吹付け材 | 鉄骨の耐火被覆、天井、機械室など |
| 石綿含有保温材 | 配管、ボイラー、設備等 |
| 石綿含有断熱材 | 煙突、配管、設備等 |
| 石綿含有耐火被覆材 | 鉄骨柱・梁等 |
| 石綿スレート | 屋根、外壁等 |
| 石綿含有成形板 | 壁、天井、床、外壁等 |
| 石綿含有仕上塗材 | 外壁・内壁等 |
| 接着剤・シーリング材等 | 床材、配管、建具、設備周辺等 |
6.事前調査結果の電子報告
一定規模以上の解体・改修工事では、「石綿事前調査結果報告システム」を利用して、事前調査結果を電子的に報告します。
| 対象 | 報告基準 |
|---|---|
| 建築物の解体 | 解体部分の床面積合計80㎡以上 |
| 建築物の改修 | 請負金額100万円以上(税込) |
| 特定工作物の解体・改修 | 請負金額100万円以上(税込) |
報告先は労働基準監督署に加えて、工事場所を所管する都道府県等にも関係するため、工事場所に応じた確認が必要です。ナックスにご依頼いただければ、報告まで対応します。
調査結果の記録は3年間保存
事前調査の結果は、記録を作成し、3年間保存する必要があります。また、工事現場には調査結果の概要を掲示し、作業者が確認できる状態にします。
7.アスベストが見つかった場合はどうするのか
調査でアスベスト含有建材が確認された場合、通常の解体工事と同じ方法で撤去することはできません。建材の種類や石綿の飛散性、作業内容などに応じて、適切な飛散防止・ばく露防止措置が必要です。
- 作業計画の作成
- 作業場所の隔離
- 湿潤化
- 集じん・排気装置の使用
- 適切な呼吸用保護具の使用
- 保護衣・作業衣の使用
- 立入禁止措置
- 石綿作業主任者の選任
- 作業者への特別教育
- 作業記録の作成
- 必要な届出・報告
14日前までの届出が必要になるケース
吹付け石綿や石綿を含む保温材・断熱材・耐火被覆材等の除去工事など、法令上の対象となる工事では、工事開始の14日前までに労働基準監督署への届出が必要となる場合があります。また、大気汚染防止法に基づき特定粉じん排出等作業に該当する場合は、自治体への届出や作業基準の遵守が必要です。
8.アスベスト調査を行わずに解体するとどうなる?
アスベスト関係の法令に違反した場合、違反内容に応じて刑事罰等の対象となる場合があります。
石綿障害予防規則関係では、違反内容によって6か月以下の懲役または50万円以下の罰金、または50万円以下の罰金などが規定されています。大気汚染防止法に基づく届出を行わない、または虚偽の届出を行った場合などは、3か月以下の懲役または30万円以下の罰金などが規定されています。
違反内容によって適用される法律・罰則が異なるため、「調査をしなかった場合は一律○○円」という単純なものではありません。
発注者にも注意が必要です
アスベスト対策は解体業者だけの問題ではありません。建物所有者・管理者・発注者にも、適切な工事が行われるよう配慮することが求められています。「調査費用をかけたくない」「工期を短くしたい」「アスベストが出ても追加費用を認めない」といった条件で、法令上必要な調査や対策を妨げないよう注意が必要です。
9.解体工事を依頼する前に確認したいこと
- 建物の建築年月・着工年月を確認する
- 設計図書・竣工図等が残っているか確認する
- 過去の改修履歴を確認する
- アスベスト事前調査の有資格者が調査するか確認する
- 調査対象となる建材を確認する
- 必要に応じて分析調査を行う
- 解体部分が80㎡以上の場合は電子報告を確認する
- 改修工事が100万円以上の場合は電子報告を確認する
- アスベストが確認された場合の除去費用・工期を確認する
- 必要な行政届出が行われるか確認する
10.調査から処分まで、ナックス1社で一貫対応
石綿調査 → 内装解体・建物解体 → 産廃収集 → 処分(リサイクル)。お見積りから工事・処分まで自社で完結するので、適正かつスムーズに進みます。
石綿調査
解体・改修の前に法令で必須の事前調査。有資格者が調査し、結果の報告まで行います。
内装解体・建物解体
調査結果に基づき、養生・無音解体機材で安全に解体します。
産廃収集運搬
現場で出た産業廃棄物を自社で分別・運搬。手配の手間が不要です。
処分・リサイクル
自社の中間処理施設で処分・再資源化。マニフェストも一括管理します。
自社で解体し、出た産業廃棄物も自社で運搬・処分するため、業者手配の手間も余計な中間コストも省けます。
11.石綿事前調査から解体工事までの流れ
ナックスにご依頼いただいた場合の流れです。
お問い合わせ・工事内容の確認
建物の所在地、用途、規模、工事範囲などを確認します。
建築時期・資料の確認
設計図書、竣工図、改修履歴等を確認します。
事前調査(書面・現地)
石綿含有建材調査者が、書面調査と現地での目視調査を行います。
必要に応じて分析調査
建材を採取・分析し、石綿含有の有無を確認します。
調査結果のご報告・電子報告
調査結果を記録・掲示し、一定規模以上の工事は電子システムで行政へ報告します。
お見積り・除去計画
石綿含有建材がある場合は、飛散防止措置を含む作業計画と費用をご提案します。
解体工事・産廃処理へ
そのままナックスで解体・産廃の収集運搬・処分まで一貫対応も、調査のみでの完了も選べます。
調査もナックスに任せるメリット

調査・解体・産廃処分を1社で完結
調査の結果、石綿含有建材が見つかった場合も、解体工事から産業廃棄物の収集運搬・処分までナックスで一貫対応。別の業者を手配する手間がなく、自社運搬・自社処分のため余計なコストも省けます。

調査のみのご依頼もOK
調査だけ、調査と解体工事だけ、といった個別のご依頼にも対応します。お見積りは無料です。築年数や設計図書の有無、工事範囲が分かればスムーズです。まずはお気軽にご相談ください。
03-5838-2059 に電話する一貫でも、工程ごとの個別ご依頼でもOK
すでに他社様で進めている工程がある場合も、必要な部分だけをご依頼いただけます。
調査後に発生する石綿含有産業廃棄物も、入谷999で処分可能
事前調査の結果、石綿含有が判明した廃材は、産業廃棄物として適正な処理が必要です。入谷リサイクルステーション999では、安定型・管理型どちらの石綿含有産業廃棄物も受け入れています。
委託契約書は当社スタッフが作成いたします。詳しい受付条件・最新料金はお電話にてご確認ください。
石綿調査の用語集(内装解体・リノベーション辞典)
石綿の事前調査に関わる資格・報告・届出・措置の用語を、辞典で詳しく解説しています。
石綿事前調査に関するよくあるご質問
小さな解体・改修工事でも、アスベストの事前調査は必要ですか?
はい。事前調査そのものに「80㎡以上」「100万円以上」といった規模の制限はなく、解体・改修工事では原則として事前調査が必要です。80㎡や100万円は、調査結果を行政へ報告する義務が生じる基準です。
事前調査結果の報告が必要なのは、どのような工事ですか?
建築物の解体で解体部分の床面積の合計が80㎡以上の場合、建築物の改修で請負金額が100万円以上(税込)の場合、一定の工作物の解体・改修で請負金額が100万円以上(税込)の場合です。石綿事前調査結果報告システムで電子報告を行います。
アスベストが見つからなければ、報告は不要ですか?
いいえ。一定規模以上の工事は、アスベストが「有る・無い」にかかわらず報告が必要です。たとえば解体部分が80㎡以上であれば、調査の結果「アスベストなし」でも電子報告が必要です。
2006年9月以降に建てた建物でも調査は必要ですか?
必要です。2006年9月1日以降の建築物でも、設計図書やメーカー資料などでアスベストが使用されていないことを確認するなど、法令に沿った調査・確認が必要です。2006年9月1日より前に着工した建築物は、特に注意が必要です。
アスベスト調査は誰が行うのですか?
2023年10月1日以降に着工する建築物の解体・改修工事では、特定・一般・一戸建て等の石綿含有建材調査者など、一定の要件を満たした者による事前調査が必要です。工作物は、2026年1月1日から資格要件が導入されています。ナックスには一般建築物石綿含有建材調査者が在籍しています。
調査で「不明」だった場合はどうなりますか?
設計図書や目視だけで判断できない場合は、建材を採取して分析調査を行います。分析せずに「石綿が含まれているもの」とみなし、法令に定められたばく露防止措置を講じる方法もあります。「不明」のまま通常の解体工事を進めることはできません。
事前調査をせずに解体するとどうなりますか?
違反の内容に応じて刑事罰の対象となる場合があります。石綿障害予防規則関係では6か月以下の懲役または50万円以下の罰金、または50万円以下の罰金など、大気汚染防止法の届出関係では3か月以下の懲役または30万円以下の罰金などが規定されています。適用される法律・罰則は違反内容によって異なります。
調査だけの依頼はできますか?
はい。調査のみのご依頼も承ります。調査後に解体工事や産廃処理が必要な場合は、そのままナックスで一貫対応することも、他社様に依頼することも可能です。
調査から解体、産廃処分まで一括で頼めますか?
はい。ナックスは調査・お見積りから解体工事、産業廃棄物の収集運搬、処分・リサイクルまで自社で一貫対応しており、手配の手間も余計なコストも省けます。
石綿が見つかった場合の廃材はどうなりますか?
石綿含有産業廃棄物は適正な処理が必要です。ナックスの入谷リサイクルステーション999では、安定型・管理型どちらの石綿含有産業廃棄物も受け入れています(事前の委託契約が必要です)。
参考にした法令・公的情報:厚生労働省「石綿総合情報ポータルサイト」/厚生労働省「石綿障害予防規則」/環境省「大気環境中へのアスベスト飛散防止対策について」/大気汚染防止法/労働安全衛生法
※本ページはアスベスト(石綿)に関する一般的な法令・制度の解説です。実際の工事では、工事内容、建築物・工作物の種類、使用建材、所在地、自治体の条例・要綱等によって必要な手続きが異なる場合があります。具体的な工事については、関係行政機関および有資格者にご確認ください。
最終更新日:2026年10月5日